2011/12 Premier League Tottenham Hotspur vs Arsenal

Tottenham Hotspur 2 - 1 Arsenal

[Tottenham Hotspur]
van der Vaart 40’ Walker 73’

[Arsenal]
Ramsey 51’

先週の試合のことを今更書く。前節はスパーズとのノースロンドンダービーであった。アーセナルのサポーターであれば、ユナイテッド、バルセロナ、ストークシティ、そしてこのスパーズの合計4クラブに対して猛烈な敵愾心を抱いており、どんなときだろうと絶対に負けたくないと考えているはずだ。当然僕もその一人で、戦力の差があろうがなかろうが、絶対に勝ってほしいと思っていた。

しかし、結果は終始スパーズが優勢に試合を進め、アーセナルはまたしても敗北した。個人的には、ユナイテッド相手に8失点をくらって敗北したときよりもずっと悔しい試合になってしまった。



敗戦の理由は多いが、最も大きいのはパス精度の低さだ。パスミスから決定的なチャンスを二度三度つくられた。スパーズ攻撃陣の調子が良く、一つのパスミスでシュートにまで持ち込まれかねないのはリバプール相手に4-0で圧勝したことからもわかっていたはずなのに、あまりにも軽率なミスが多かった。結果として、パスミス後の守備に労力を割かざるを得ず、後半の終盤は誰もがバテバテで、最後の力を振り絞ることすらできなかった。スコア上は最少得失点差での敗戦だが、シュチェスニーがファインセーブを連発しなければ、リバプールと同じく完全敗北していただろう。この日の彼は、2失点目を防ぎきれなかったことを除けば素晴らしかった。スパーズ対シュチェスニーと言っても決して過言ではなかった。

またこの試合でサニャが骨折し、年内復帰は絶望的とのニュースが流れた。踏んだり蹴ったりだ。これでアーセナルはジェンキンソンをレギュラーとして使うしかない。しかし、ベイルに簡単にぶち抜かれ、スピード勝負どころか競り合いの相手にすらなっていなかった場面を見ていると、今後三か月のアーセナルのディフェンスラインが本格的に心配になってくる。エブエさえ残留させておけば…ヴェンゲルの放出の決断にはほとほと呆れる。アーセナルの強みの一つが右サイドバックだけは心配いらないことだったのに、いまでは不安要素しかないポジションである。

守備も不安で仕方がないが、攻撃面も光明の糸口が全く見えない。かつての美しい攻撃は鳴りを潜め、いまやシュートに持っていくだけで精一杯なこの現状に、一体どうやって対処すればいいのだろうか。メンツが小粒すぎて、凄みも自信も何も感じられない。

アルテタは昨シーズンまでのウィルシャーとセスクがやっていたことを足して2で割った役割をこなしているが、どちらも中途半端である。ボールタッチの数が少ないのはラムジーのフォローも考えたポジションをとっているため、ボールを受けに行けないこともあるだろうが、もう少し積極的にボールに触ってほしい。

両翼のウォルコットジェルビーニョは二人してボールを持ちすぎである。前者が期待できないのは昔からだが(今シーズンのうちにチェンバレンにとって代わられるだろう)、後者は「俺が抜いてやる」という意識をひしひしと感じるので、まだ許せる。プレシーズンマッチで見せたように、良い縦パスさえもらえれば得点を奪えそうな気もする。しかし現状ではろくにパサーがいないので、厳しいと言わざるを得ない。セスクとナスリとプレーしたかったとはジェルビーニョの弁だが、彼にはアーセナルの新しい顔になるくらいに頑張ってほしい。

そしてラムジー。1ゴールこそ奪ってはいるが、スパーズの厳しいプレスを受けてボールを奪われることが非常に多く、カウンターの起点に使われるなど、凡庸なプレーに終始した。フィジカルも強くはないし、メンタルの面で特筆すべきことがあるわけでもない。ただ「ヴェンゲルが好むタイプ」の「ちょっとうまい」だけの選手になっている。おそらくヴェンゲル以外が監督になれば、真っ先に外されるメンバーだろう。彼を使うくらいならもっと使うべき選手がいたのではないかと思う。心の底からウィルシャーの復帰が待たれる。

次節はブラックキャッツ(=サンダーランド)戦。クロネコも決して調子がいい訳ではないが、去年の対戦成績は2分と五分だ。次々節の相手が憎きストークということもあるので、上昇気流に乗るためにも、しっかりと叩いておきたい。